熱中症
熱中症というワードはここ数年、よく耳にする言葉だと思いますが、実は
かなりわかりにくい病態です。この時期に子供が熱がでると大抵の親御さんは
熱中症では?と来院されますが、夏風邪による発熱のほうが多いのが現状です。
しかし、異常高温になる近年では、必ず念頭になくてはならない病気です。
熱中症には下記のようにいろいろな段階があります。
【熱中症の分類】
- 熱失神(heat syncope):血管拡張で脳血流減少して立ち眩み、失神。体温正常。
- 熱痙攣(heat cramp):四肢、腹部の筋痙攣、こむら返り。 水分補給のみで塩分を
補給しない時起こる。熱は38 度以下。
- 熱疲労(heat exhaustion): 汗で塩分、水分大量に失い細胞外液減少。
悪心、嘔吐、頭痛、めまい、低血圧。直腸温38-39 度。生食輸液。myoglobin 尿チェック。
- 熱射病・日射病(heat stroke):発熱40 度以上、中枢神経症状(譫妄、痙攣、昏睡)あり。
① 古典的熱射病(Classical heat stroke):高温環境で起こるもの。
② 運動性熱射病(Exertional heat stroke):運動によるもの。
私が10代のころは、最高に気温が高くてもせいぜい33度、「もっと夏は暑くならないかな」と
思ったこともありました。いまは35度超えは普通、40度に迫るといった人間にはかなり負担な
気温です。
どう防ぐかですが、熱中症を誘引する 疲労、下痢、寝不足、食事のかたよりをなくし
規則正しく生活してください。暑い夏を乗り切りましょう。